2013.12.04

▽『別海から来た女』――悪魔祓いの百日裁判

佐野眞一『別海から来た女』(講談社)

通称がなんと言われているかよくわからないが、首都圏で婚活を悪用して詐欺や自殺に見せかけた殺人を連続して行った女性の犯人像にせまったルポである。

著者の作風についてはいろいろと取り沙汰されているが、そういう点を差し引いても、なかなか興味深く読むことができた。また、多くの被害者の抱えていたさまざまな「事情」も伺いしれた。

《この事件はそれと同時に、"妹(いも)の力"の偉大さも教えてくれた。木嶋の魔手から危うく難を逃れることができたのは、決まって姉や母が木嶋を見て出す"警戒警報"のおかげだったからである。
 この世には、木嶋のような女ばかりがいるわけではない。それがこの事件のせめてもの救いである。そう言うのは、あまりにもわびしい結論だろうか。》(p.273)


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