2014.10.27

▽『映画の奈落』――北陸代理戦争事件

伊藤彰彦『映画の奈落: 北陸代理戦争事件』(国書刊行会)

『仁義なき戦い』から始まった東映の実録ヤクザ路線も、高田宏治脚本の『北陸代理戦争』で終結せざるを得なかった、その顛末を描いたのが本書である。

映画のモデルになった組長がヒットマンにより射殺されたこと。

そして、『仁義なき戦い』四作の脚本を書いた笠原和夫の後を引き継くかたちで、『仁義なき戦い・完結編』の脚本を担当した高田宏治が、評論家から酷評されたこと。

『北陸代理戦争』の背後に存在した因縁を執拗に描いている。

高田宏治がその後、『鬼龍院花子の生涯』や『極道の妻たち』シリーズでヒットを飛ばしたことなどを考えると、ちょっと因縁の部分を強調し過ぎかなという印象も持ちますね。

[目次]
序章 『北陸代理戦争』
第一章 事件 一九七七年四月十三日
第二章 笠原和夫対高田宏治 企画 一九七六年十月
第三章 両目ができた 取材 一九七六年十一月
第四章 太秦蛸部屋寮 脚本執筆 一九七六年十二月
第五章 性転換手術 脚本改稿/一九七七年一月
第六章 県警対東映京都 撮影/一九七七年一月~二月
第七章 奈落へ向かう人々 封切りと三国事件 一九七七年二月~四月
第八章 暁の7人 復讐 一九七七年四月~十一月
第九章 女が水を血に変えるとき その後の高田と深作
終章 それぞれの三十七年
取材者一覧・引用文献一覧・あとがき・索引(人名・映画題名)


|

書評」カテゴリの記事