2014.11.01

▽日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか

山田奨治『日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか』(人文書院)

本書を読んで、「日本の著作権が厳しい」ことは理解できたのですが、「なぜこんなに」の部分は、いま一つわかりませんでした。

ところで本書を読んでようやくわかったことが一つ。

それは、2003年に著作権が切れた(はずの)映画に関して。

映画の著作権保護期間は公開後50年だったことから、1953年に公開された映画は2003年12月31日に保護期間が終了した。

この保護期間は2004年1月1日に公開後70年へと延長されたものの、裁判の結果1953年公開の映画は2003年で保護期間が終了したことが確定した。

《ところが、これには思わぬ落とし穴があった。現在の著作権法が施行された一九七一年よりもまえの映画には、明治時代に作られた旧著作権法が適用される。そこには「独創性を有する映画」で個人著作物と認められる作品の保護期間は、著作者の死後三八年間と規定されていた。》(p.65)

黒澤明やチャップリンなどの著作権を持つ映画会社が裁判を起こし、これらの作品は旧著作権法における「独創性を有する映画」である、と認めさせることに成功したのだ。

その結果、黒澤明の主要作品は2036年、チャップリンの全作品は2015年まで、権利が続くことになった、という。

[目次]
第1章 パクリはミカエルの天秤を傾けるか?
第2章 それは権利の侵害です!?
第3章 法律を変えるひとびと
第4章 ダウンロード違法化はどのようにして決まったのか
第5章 海外の海賊版ソフトを考える
第6章 著作権秩序はどう構築されるべきか


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