2015.04.26

▽『国際メディア情報戦』

高木徹『国際メディア情報戦』(講談社現代新書)

NHKプロデューサー高木徹による著作は、以前にも

▽『大仏破壊―ビンラディン、9・11へのプレリュード』
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/book/2011/05/911-0949.html

を紹介したことがあります。これは、タリバンによるバーミヤンの大仏破壊を描いたもので、タリバンがオサマ・ビンラディン率いるアルカイダにいかに乗っ取られていったかを綴っています。

これより前にも、ボスニア紛争における情報戦を描いた『ドキュメント 戦争広告代理店』という著作がありますが、本書『国際メディア情報戦』はそれに連なるものです。

海外におけるテロや政治やメディアの事情を知る上で役に立つ情報も多いものの、「では、日本はどうなのよ?」という疑問もわいてきてしまいます。特に、3.11による福島原発事故をめぐる報道は? と素朴に思います。

NHK所属の著者の限界と言えるかも知れません。

また、本書は2014年1月発行なのですが、その後に台頭してきたいわゆる「イスラム国」のメディア戦略も、もちろんフォローされていません。

この「国際メディア情報戦」という分野は、真実を後から知ったところで、もう手遅れになってることも多いわけで、リアルタイムに対抗していくには、NHKをはじめとするマスコミにも頑張ってもらわにゃ、と思うわけです。

[目次]
まえがき
序 章 「イメージ」が現実を凌駕する
第1章 情報戦のテクニック ジム・ハーフとボスニア紛争
第2章 地上で最も熾烈な情報戦 アメリカ大統領選挙
第3章 21世紀最大のメディアスター ビンラディン
第4章 アメリカの逆襲 対テロ戦争
第5章 さまようビンラディンの亡霊 次世代アルカイダ
第6章 日本が持っている「資産」
終 章 倫理をめぐる戦場で生き残るために
あとがき


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