料理のレシピ・サイト、クックパッドについては、書評で取り上げたことがありますが、ビジネス・モデルについて、もう一度掘り下げてみたいと思います。
▽日本最大のレシピサイト「クックパッド」の作り方
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/book/2009/05/post-65fd.html
クックパッドは、料理のレシピ・サイト。ユーザーが投稿したレシピを、検索・閲覧することができるサイトです。
クックパッドのサービス開始は、1997年で、現在は、月間のユニークユーザー数は1005万人、月間ページビューは4億1969万PV(2011年1月)にまで成長しました。また、携帯電話やスマートフォン向けには「モバれぴ」というサービスを提供していて、こちらも月間ページビューは5億2979万PV(2011年1月)となっています。
クックパッドに投稿されているレシピの数は92万(2011年1月)にのぼります。クックパッドは、圧倒的なユーザー数とPV数によって、広告収入を得ています。
また、一般利用者は無料でレシピの検索や閲覧ができ、また、無料のID登録者は、レシピの投稿も行うことができます。ただし、一般利用者、無料ID登録者は、人気の高いレシピのランキングは見ることはできません。
そもそもクックパッドとしては、人気の高いレシピではなく、新たに投稿されたレシピを見て欲しい、という意図があったそうです。しかし、人気レシピのランキングを見たいという要望が、あまりにも多かったので、ランキングを検索・閲覧できる有料会員制度も作ったそうです。月額294円で、有料ID登録者となることができます。
また、検索結果をデータベース化したものを「たべみる」という名称で、企業に販売しています。これらは、地区別、キーワード別などで分析できるため、食品メーカーやスーパーなどが商品開発や販売戦略のためのマーケティング支援のツールとして活用されています。
まとめると、クックパッドは、レシピの検索・閲覧や投稿がフリーで多数のユーザーを集めて広告収入を得ています。また、圧倒的なユーザー数を背景に、人気レシピ・ランキングの検索や閲覧でユーザー課金。さらに、検索結果などを集約したデータを企業向けマーケティング支援として販売することで収入を得ています。フリーとプレミアムのバランスの良いモデルと言えます。
クックパッドの2011年4月期の売上高32億円のうち、有料会員からの収入が17億円、企業のマーケティング支援が11億円、広告収入が4億円となっています。
上図は、クックパッドの決算資料から作成したものですが、左側がいわゆるBtoC、右側がBtoBであり、BtoCの売上が17億円、BtoBの売上があわせて15億円と、とてもよくバランスがとれていると言えます。
さて、クックパッドに投稿されるレシピの著作権については、どうなっているのでしょうか? レシピは、材料、分量、調理方法、時間などの組み合わせに過ぎないため、著作権法上保護される「著作物」ではないとみられています。
ただ、そうであっても他人の作ったレシピを無断で投稿するのは、道義的に問題があり、また、かつては炎上事件を起こしたこともあるようです。そのため、クックパッドでは、ユーザーがレシピを投稿する際に、「このレシピの生い立ち」について記入してもらい、レシピの考案者を紹介してもらうようにしています。また、書籍などでレシピを二次利用する際には、すべて投稿者に確認をとっているようです。
他社がレシピサイトを真似することは簡単ですが、開設以来ユーザーから見て使いやすいサイトの構築をめざしてきて、すでに1000万人を超えるユーザーが定着しているクックパッドに追いつくのは、簡単なことではないでしょう。
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